eamesBot / Shutterstock.com

準備通貨ドルとデジタル人民元
―― 何がドル覇権を支えているのか

ヘンリー・M・ポールソン・Jr  元米財務長官

The Future of the Dollar U.S. Financial Power Depends on Washington, Not Beijing

Henry M. Paulson Jr. アメリカのバンカーで、現在はポールソン研究所の理事長。ゴールドマン・サックスの会長兼最高経営責任者(CEO)、米財務長官(2006年―2009年)などを経て現職。フォーリン・アフェアーズでは、財務長官在職中に「米中戦略経済対話の継続を」(2008年9月号)を発表している。

2020年7月号掲載論文

ワシントンは、中国との競争で実際に何が危機にさらされ、問われているのかを明確に認識する必要がある。アメリカは金融と技術部門のイノベーションのリードを維持すべきだが、中国のデジタル通貨が米ドルに与える衝撃を過大評価する必要はない。むしろ、ドルの優位性を生み出した条件を維持していくことに気を配るべきだ。この意味で、健全なマクロ経済と財政政策が支える躍動的な経済、透明で開放的な政治システムと国際社会での政治・経済・安全保障上のリーダーシップを維持していく必要がある。つまり、ドルの覇権的地位を維持できるかは、中国で何が起こるかよりも、コロナウイルス後の経済にアメリカが適応していく能力、成功モデルであり続ける能力に左右されるだろう。

  • ドルのパワー
  • フィンテックと中国
  • デジタル通貨の形式と機能
  • アメリカのイノベーション促進を
  • 何が米ドルの強さを支えているのか

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2020 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top